第40章予期せぬもの

デイヴィッドのひと言が、その場の空気を揺らした。彼は業界屈指の名優で、いつも一流と仕事をしてきた人物だ。そんな目の肥えたデイヴィッドからの賛辞は、それだけで重みがある。

ミアの笑みがすっと消えた。彼女はチェイスを見据え、視線がにわかに鋭くなる。

チェイスを見て、それからデイヴィッドへ。表情はみるみる翳っていった。

「マーティンさん、でしたっけ?」ミアはリリーへ向き直った。口調は丁寧だが、氷のように冷たい。「息子さん、とても才能がおありね。それに……」彼女は言葉を切り、意味ありげにデイヴィッドへ目をやった。「どこか見覚えがあるお顔」

リリーは平静を装った。「お褒めいただいてありがとうござ...

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